歯医者が痛くないなんて

歯医者が痛くないなんて、絶対ウソだと思う。
子どもの頃、母親に連れて行かれた歯医者は「痛くない」という謳い文句で近所の子どもを集めていた。
どちらかというと、子どもがというより親がその台詞に踊らされて子どもを連れて行ってたのだと思う。
待合室ではよく友達と会った。

自分も含め、みんな決まって虫歯の治療で歯医者に来ていた。
何回か通わないといけない上に、虫歯の治療は痛いと決まっている。
別の歯医者でエライ目に遭ったので、二度と歯医者なんか行きたくなかったのに。
治療が終わらないので、とりあえずまた歯医者に通わないといけなかった。

痛くないと宣伝している歯医者だったが、やはり予想通り痛かった。
これだからイヤなんだ。
ウソを言う歯医者も嫌いだし、そこに踊らされる大人も好きじゃない。
振り回されるこっちの身にもなってほしい。

子どものそんな言い分が聞いてもらえるわけもなく、痛い歯医者に何度も連れて行かれた。
虫歯は治っても、また新しくできる。
歯磨きをサボらなくても虫歯ができてしまう。
そんなことを何回も繰り返していた子ども時代だった。